【3月24日 AFP】ボクシング、元世界ミドル級王者のサウル・アルバレス(Saul Alvarez、メキシコ)は23日、禁止薬物の陽性反応を示した問題で暫定的に資格停止処分を科された。これによって、5月5日に予定されている同階級3団体統一王者のゲンナディ・ゴロフキン(Gennady Golovkin、カザフスタン)との再戦が不透明な状況となっている。

 米ネバダ州アスレチック・コミッション(NAC)のボブ・ベネット(Bob Bennett)理事は声明を発表し、「今年2月17日と20日に実施された検査で、アルバレス氏はクレンブテロール(clenbuterol)に陽性反応を示し、NACの理事を通じて暫定的に資格停止処分を受けた。2018年4月10日に聴聞会が開かれ、アルバレス氏もしくは同氏の代理人から聞き取りを行う」と述べた。

 地元紙ラスベガス・レビュー・ジャーナル(Las Vegas Review-Journal)によると、同理事はラスベガスで行われる5月5日の一戦についてはコメントを控えたとされている。

 一方、アルバレスのプロモーターであるゴールデン・ボーイ・プロモーション(Golden Boy Promotions)社は、同選手が意図的に禁止薬物を摂取したことは一度もないと繰り返し強調している。

 同社のステファン・フリードマン(Stefan Friedman)氏は声明で、「NACの措置を尊重し、カネロ(Canelo、アルバレスの愛称)の審理には最初から最後まで積極的に出席する」とした上で、「これまでのキャリアにおいて、カネロは90回以上の検査でクリーンとなっており、意図的に禁止薬物を使用したことは一度もない」と主張した。

 アルバレスが禁止薬物のクレンブテロールに陽性反応を示したことは同社もすでに把握しており、その理由としてこの薬物が肥育牛(食肉用に飼育される牛)に使用されることがあるメキシコで食べた肉が原因であると説明。同選手はメキシコから米国に練習拠点を移す予定で、5月の試合を実現するために必要な「いかなる回数と種類の追加検査にも応じる」としている。

 一方、ゴロフキンのプロモーターを務めるトム・ローフラー(Tom Loeffler)氏は、米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angels Times)に対して、同選手が「現在も5月5日のファイトに臨むつもりで練習を続けており、その相手がカネロであることを望んでいる」と語った。

 同氏はまた、アルバレスが暫定的に資格停止処分を受けることについては、聴聞会が開かれるまで規則で決まっているものであるとNACから告げられたと明かし、「彼らの話によると、カネロは追加検査に加えてすべての要求に従っているが、規則で処分を科す必要があったということだ」と述べた。(c)AFP