【3月23日 AFP】(更新、写真追加)フランス南部で23日に起きた銃撃・立てこもり事件で、容疑者の男が警察に殺害された。事件ではスーパーマーケットなど3か所で発砲があり、3人が死亡。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。

 治安筋によると、容疑者はモロッコ国籍の男で、ISに忠誠を誓っていた。男は事件前、イスラム過激派の疑いがあるとして警察の監視対象となっていたとされる。

 男はまずカルカソンヌ(Carcassonne)で車1台を強奪。その際、助手席にいた人を殺害し、運転手を負傷させた。その後、近くでジョギングしていた警察官らに向って発砲し、うち1人が負傷した。

 男はその後、近郊のトレブ(Trebes)にあるスーパー「シュペルU(Super U)」に押し入り、2人を射殺。人質を取って3時間にわたって立てこもった。生存者や目撃者によると、男は銃と刃物、手投げ弾で武装していた。

 ジェラール・コロン(Gerard Collomb)内相によれば、男は警察官1人と引き換えに人質を解放。警察官が男に撃たれ重傷を負ったことを受け、警察の対テロ精鋭部隊が建物内に突入し、男を射殺した。この際に同部隊の隊員1人も負傷した。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は事件を受け行ったテレビ演説で、「われわれの国はイスラム過激派のテロ攻撃を受けた」と発表。事件で16人が負傷し、うち2人が重傷を負ったことを明らかにした。一方である治安筋は、16人は緊急心理サポートを受けた人の数で、発砲により負傷したのは5人だと説明している。

 IS傘下のプロパガンダ機関アマック(Amaq)はメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」に出した声明で、「トレブでの攻撃を実行した人物はイスラム国の兵士だ」と主張。犯行はIS掃討作戦を進める有志連合の参加国を攻撃せよとの呼び掛けに応じたものだったと述べた。(c)AFP