【3月24日 東方新報】今年で満90歳を迎えるのを機に引退を明らかにした、香港の「長江」グループの主席で富豪の李嘉誠(Li Ka-Shing)氏。

 12歳で戦火を逃れて香港へ移住し、裸一貫で起業。貧しい移住者だった少年は、78年の歳月をかけて、巨大な商業王国を作り上げ、「超人(スーパーマン)」と呼ばれるまでになった。

 家計を支えるために、ウェイターやエンジニア、販売員などさまざまな仕事を経験した。「毎日、同じように前を向いて歩いていたのだ。道から外れたりすることはなかった」

■「王国」のスタートは貯金と親友からの借金

 1950年、22歳の時に貯金と親友からの借金を合わせた5万香港ドルで、長江プラスチック工場を設立。創業への道を踏み出した。

 6年後には、不動産業に足を踏み入れる。狭くて人口過密な香港(Hong Kong)で、土地の供給過多に商機を見出したのだ。香港北角と柴湾の2か所に工場建設用の土地を購入した。

 70年代に入ると不動産事業が急速に発展したことから、正式に長江不動産を設立。長江不動産は72年、長江実業集団(Cheung Kong Holdings)と名称変更し、一株あたり3香港ドルで香港証券取引所に上場した際は、初値が65.4倍に達した。