【3月23日 AFP】サッカーアルゼンチン代表のホルヘ・サンパオリ(Jorge Sampaoli)監督は22日、W杯ロシア大会(2018 World Cup)での優勝に向けて、自身の影響力よりもリオネル・メッシ(Lionel Messi)の存在感の方がチームにとってはるかに大きいという認識を示した。

 W杯で通算2度の優勝を誇るアルゼンチンは、南米予選で成績が低迷する中、終盤の4試合ではサンパオリ監督がチームの指揮を執った。すると、最終節のエクアドル戦ではメッシが見事なハットトリックを記録して3-1で勝利を収め、敗退の危機を免れた。

 イングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・シティ(Manchester City)の本拠地エティハド・スタジアム(Etihad Stadium)で23日にイタリアとの親善試合を控えているサンパオリ監督は、「メッシのチームになる。彼は最高の選手であり、チームを双肩に担うことができるベテランに成長した。このチームは私のものというより、彼のものだ」と述べた。

 メッシはスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)ではチームを数々のタイトル獲得に導き、自身も通算5度のバロンドール(Ballon d'Or)を受賞しているものの、アルゼンチン代表としての優勝経験は一度もない。今大会では再び国の期待を一身に背負うことになるが、30歳という年齢に達し、自身の輝かしいキャリアにW杯の栄冠を加えるのはこれが最後の機会になる可能性がある。

 一方、マンチェスター・シティでプレーするセルヒオ・アグエロ(Sergio Aguero)は、太ももの故障でイタリア戦には間に合わない見通しとなっている。サンパオリ監督は、27日のスペイン戦でも同選手がプレーしない可能性が高いと明かし、「アグエロについてはシティと話している。十分に回復すれば遠征は可能だが、この短期間では難しいだろう」と語った。

 アグエロの離脱が濃厚となっているにもかかわらず、イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)でプレーするパウロ・ディバラ(Paulo Dybala)は代表チームに招集されなかった。セビージャFC(Sevilla FC)の元指揮官でもあるサンパオリ監督は現在、周囲がうらやむほどストライカーの選択肢に恵まれている。

 その小柄な体格と卓越した技術を誇る左足がメッシと比較されることもあるディバラは、今季の公式戦で合計21得点を記録しているものの、前線でメッシと並ぶことは難しいと自覚しており、サンパオリ監督も「ディバラがチームのスタイルに慣れるのは困難だ」として同選手がW杯で招集されない可能性を示唆した。

「このチームでは、彼のパフォーマンスが改善できない可能性がある。パウロでなく現在の戦力から選ぶか、あるいは彼の起用を続けてパフォーマンスを改善させるかどうか検討していく必要がある」 (c)AFP