【3月23日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は22日、中国による米国の知的財産権の侵害に対する制裁として、中国からの輸入に関税を課す大統領令に署名した。トランプ氏は、対象品目は600億ドル(約6兆3000億円)規模に達する「可能性がある」と説明。一方で、中国が「友人」であることに変わりはないと強調した。

 今回の大統領令は中国の対米投資を制限することも視野に入れており、トランプ氏は署名に当たり、「多くの貿易措置」が後に続くと表明し、「甚大な知的財産の窃盗が起きている」と述べた。

 トランプ氏は一方で、国内事情を動機とする政策による影響を抑えようと、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席を「大いに尊敬している」と表明。「われわれには素晴らしい関係がある」とし、中国を「友人だと考えている」と述べた。

 ホワイトハウス(White House)の発表では、関税対象の中国製品は少なくとも500億ドル(約5兆3000億円)規模とされている。対象品目はまだ決まっておらず、トランプ氏は今後、米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー(Robert Lighthizer)代表に候補品目のリストの作成を指示する。

 また、トランプ氏は同代表に対し、中国での米企業による自社技術の認可取得が中国政府によって妨害されているとして、世界貿易機関(WTO)で対抗措置を取ることも指示する予定だ。(c)AFP