【3月25日 CNS】耳をつんざくような爆発音が響いた。広西チワン族自治区(Guangxi)憑祥市(Pingxiang)中国・ベトナム国境019号地雷設置場で新たに10個の地雷を見つけた地雷処理兵士は、TNT爆弾で地雷の爆破処理を行い、1日の作業を終えた。

 基地に戻る軍用車の中で、ベテラン地雷処理兵のケイ志明さん(36)は、「今日の仕事は終わったよ。順調だった。安心して」と電話で妻に語りかけた。ケイさんは工兵で、地雷処理任務に就くのは2002年以来2度目となる。毎日、ケイさんの妻に無事の電話を入れる約束をしている。

「私が正式に地雷処理チームに加入したのは2002年でした。当時は両親が心配するだろうと思い、仕事のことを10年間も伝えられませんでした。ここ数年は、興奮、恐怖、緊張を経て平常心で任務に当たれるところまで成長しました」とケイさんは言う。

 地雷処理は完成度の高いマニュアルに沿って行われるため、安全は保障されているが、任務中は不確定な要素もありヒヤリとする場面も多い。

「2007年、別の地域で地雷処理を行った際は、洪水で3個の地雷が川に流され、様子を見るために川の中に入って、危うくその地雷を踏みそうになりました。同僚が瞬時に私の手をつかみ、間一髪で難を逃れました」とケイさんは当時を振り返った。

 危険と背中合わせの地雷処理には、高い業務遂行能力が求められる。

「地雷処理任務の開始前に、約100人兵士を選抜し合宿を行い、講義や一般訓練、外部専門家による指導や野外模擬訓練、爆弾を使用した訓練など通して兵士たちの専門技術や心構えなど集中的に強化していく。最終的には試験で90人を選び、中国・ベトナム国境広西地雷処理チームが組織された」と、同地雷処理チームの黄泰峰指揮長は説明する。

 雲南省出身の楊浩さんは地雷処理チームの班長を務める。2人の子どもがいる楊さんは、地雷処理チームへの参加を家族から反対されたため、家族には任務の内容を秘密にしている。「家族が私に危険を冒してほしくないことはわかっていた。しかし、私が行かないなら誰が行く?軍人は恐れをなしてはならない」と楊さんは言う。

「これらの地雷は70~80年代から残されているものだ。2度の大規模な除去作業後、設置場所もわかるようになり、また処理しやすい地雷は除去した。今回の地雷現場は厄介な場所だ」と黄指揮長は語る。

 日々の地雷処理任務は、危険と背中合わせだ。地雷処理チームの王京隊長は、「以前、地雷処理作業を行った現場では、人が通った痕跡があったので、ここに地雷が設置されている可能性は少ないと判断した。ところが調査を進めると計10個の地雷が発見され、冷や汗をかいた。地雷が深い地中に埋まっていたので爆発することはなかったが、浅い場所に埋まっていたら恐らく皆死んでいただろう」と振り返った。

 今年1月に結婚した王さんは、結婚式の前日まで地雷作業現場にいた。王さんは新婚の妻に対し申し訳なく思っているといい、「今回の業務が終了したら、休暇を取って妻と旅行に行きたいね」と語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News