【3月22日 AFP】国際自転車競技連合(UCI)は21日、トップレベルのレースで小型の隠しモーターが使われるのを防ぐため、X線を使った新たな検査機を「今週末から使用する」ことを発表した。

 UCIのダビド・ラパルティアン(David Lappartient)会長は、持ち運び可能なX線装置を搭載したトレーラーを「新たなツールとして使用し、選手の自転車をモニタリングする」ことで、いわゆる機械ドーピングの発見に役立てると話している。

 これに加えて、タブレット端末に入れたサーモグラフィーと磁気センサーによる検査も引き続き行っていく。隠しモーターは通常、自転車のフレームの中に隠されていて、向かい風や厳しい上り坂など、レースの特定の場面で選手に大きな力を与える。

 会長はマシンを解体して調べる可能性も否定しなかったが、X線検査機があれば分解しなくてもモーターを検知できる。会長は「選手がモーターを使っていないことが証明されるのを願っている。われわれの狙いは、全員が公平な舞台で戦っているとわかることだ」と話した。

 会長は今週のどのレースで検査機を使用するか明言しなかったが、2014年のツール・ド・フランス(Tour de France)で総合2位に入り、技術不正の対策委員会を率いる元選手のジャンクリストフ・ペロー(Jean-Christophe Peraud)氏は、検査機が広く使われるようになることを示唆した。

「5大陸の18か国でこの技術を披露する。ワールドツアー大会の半分をカバーするだけでなく、マウンテンバイクやトラックレースといった別の種目でも使っていく予定だ」

 ペロー氏によると、X線検査機を使えば、モニターで「開いた本を読むように自転車を読み取る」ことができるという。機械は1987年からUCIと提携するVJテクノロジーズ(VJ Technologies)が開発したものだが、連盟にはまだ1台しか納品されていない。(c)AFP