【3月22日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領が立ち寄ったことで一躍有名になったベトナム・ハノイの中心街にある麺料理店では、オバマ氏が食事をしたテーブルが、丼や箸などあらゆるものと一緒にガラスケースで永久保存されている。かつては目立つ存在ではなかったこの店に、今や大勢の客が押し寄せている。

 2016年、オバマ氏はハノイ訪問中に公務の休憩がてら、シェフで料理研究家のアンソニー・ボーデイン(Anthony Bourdain)氏とともに「ブンチャー・フオンリエン(Bun Cha Huong Lien)」を訪れ、3ドル(約320円)の豚肉入りつけ麺と春巻きを食べた。

 以来、人気スポットとなった店は「ブンチャー・オバマ(Bun Cha Obama)」の異名で親しまれ、客が殺到している。

 だが店主は、オバマ氏の人気にあやかろうとしているわけではないと主張。同氏が食事をしたテーブルを買い取りたいという複数の申し出があったが断り、代わりにあの夜の食事の舞台を永久保存することにしたという。

「オバマ氏の思い出は保存しておくべきだと思うんです」。丼や皿、箸や調味料入れなどともにガラスケースで保護されたテーブルの前で観光客らがセルフィーを撮る中、店主のグエン・ティ・リエン(Nguyen Thi Lien)さんはAFPに話した。

 だが店の客が皆、このアイディアを歓迎しているわけではない。

 オバマ氏と店を訪れたボーデイン氏はこのテーブルの写真をインスタグラム(Instagram)に投稿し、「微妙な心境」とコメントしている。(c)AFP/Jenny VAUGHAN