【3月22日 AFP】動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」は21日、自社で制作している映画を劇場公開すると発表した。米インターネット通販大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の動きに追随した格好だ。

 オリジナル映画『バルチャー・クラブ(Vulture Club)』では、『デッドマン・ウォーキング(Dead Man Walking)』で知られるオスカー女優のスーザン・サランドン(Susan Sarandon)が、息子をテロリストに誘拐された救急看護師役を演じる。映画は現在、撮影後の編集作業段階にある。

 イラン系米国人のマリヤム・ケシャバルス(Maryam Keshavarz)が監督を務めるほか、イーディ・ファルコ(Edie Falco)やマット・ボマー(Matt Bomer)が出演する。

 ケシャバルス監督の声明によると、バルチャークラブは、政府に見捨てられれた女性が思いもよらなかった場所でコミュニティーを見つける物語だという。

 有料会員サービス「ユーチューブ・レッド(YouTube Red)」では、2016年1月にSFコメディー映画『レーザーチーム 俺たち史上最弱のエイリアン・バスターズ!(Lazer Team)』が配信されたが、低予算かつキャストも無名だったため、興行面では目立たなかった。

 米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)は、オリジナル作品の公開について劇場に配慮する姿勢をあまり示さず、クリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)監督をはじめとする一部の映画関係者からは批判の声が上がっている。

 一方、アマゾン・スタジオ(Amazon Studios)はブリーカーストリート(Bleecker Street)やライオンズゲート(Lionsgate)といったエンターテインメント企業と提携し、オンライン配信の数週間前にオリジナル作品を劇場公開している。

 従来型の映画制作会社として映画業界で受け入れられており、これまでに『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ(The Big Sick)』や『マンチェスター・バイ・ザ・シー(Manchester by the Sea)』、『セールスマン(The Salesman)』などを公開している。(c)AFP