【3月22日 AFP】世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2018)は21日、イタリア・ミラノで開幕し、カロリーナ・コストナー(Carolina Kostner、イタリア)が平昌冬季五輪で金メダルを獲得したアリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova、ロシア)をわずかに上回り、女子ショートプログラム(SP)首位発進を果たした。

 世界選手権はこれが14回目の出場となる31歳のコストナーは、セリーヌ・ディオン(Celine Dion)の「行かないで(Ne Me Quitte Pas)」に乗せてミスのない滑りを見せ、すべてのエレメントを減点なくまとめて自己ベストを更新する80.27点をマークし、地元の観客を沸かせた。

 コストナーは、世界選手権では2005年大会で初めてメダルを獲得すると、2012年の金メダルを含む合計6個のメダルを獲得している。2014年のソチ冬季五輪で銅を獲得し、平昌大会でも5位に入った。

 母国のリンクで、コストナーは初めて世界選手権に出場した2003年の米ワシントン大会を振り返りながら、感慨深げに話した。

「プログラムの中盤に静かになる箇所があって、国際舞台で滑るようになった15年前のことを思い出しました。あのころはイタリアでフィギュアスケートを追いかける人なんて誰もいなかった。それが今、私と一緒にみんなが熱くなってくれて、とてもうれしく思います」

 一方、1か月前の平昌五輪を含め、今季出場した全大会を制しているシニアデビューシーズンの最後を優勝で締めくくりたいザギトワは、コストナーに0.76点及ばない79.51点で2位につけた。

 映画『ブラック・スワン(Black Swan)』の音楽に乗せて優雅で堅実な演技を披露したザギトワだが、世界最高点をマークした平昌よりもかなり低い点数が表示されると、ショックを受けた様子を見せた。

「正直に言うと、五輪のときよりも緊張しました。五輪の後はトレーニングに復帰するのがかなり難しく、回復に時間をかけていました。緊張したのは初めての世界選手権だったからです。私にとってはすべての大会が勉強です」

「きょうは体になんとなく硬さがありました。緊張から来るものだと思いますが、クリーンな演技ができたのは良かったです。小さなミスはいくつかありましたが、深刻なものではありません」

 この大会で銀メダルを獲得している宮原知子(Satoko Miyahara)は、74.36点で3位につけた。けがから復帰して望んだ平昌では4位となり、表彰台を逃した宮原は「思っていたよりも点数が出ました。最初のルッツは詰まってしまって、最高のジャンプができませんでした」と話した。

 平昌銅メダリストのケイトリン・オズモンド(Kaetlyn Osmond、カナダ)は4位につけた。大会連覇中のエフゲニア・メドベデワ(Evgenia Medvedeva)は、銀メダルを獲得した平昌の後で足の治療に入っており、今大会には出場していない。

 ペアでは、五輪金メダリストのドイツのアリオナ・サフチェンコ(Aliona Savchenko)/ブリュノ・マッソ(Bruno Massot)組がSPのパーソナルベストを更新する82.98点を記録し、22日のフリースケーティング(FS)を首位で迎えることになった。

 ロシアのエフゲニア・タラソワ(Evgenia Tarasova)/ウラジーミル・モロゾフ(Vladimir Morozov)組が81.29点で2位に、フランスのヴァネッサ・ジェームス(Vanessa James)/モルガン・シプレ(Morgan Cipres)組が75.32点で3位につけた。(c)AFP/Emmeline MOORE