【3月22日 AFP】2016年米大統領選挙でドナルド・トランプ(Donald Trump)陣営が利用したデータ分析会社がフェイスブック(Facebook)利用者の個人情報を不正に取得したとされる問題を受け、同サイトの利用者にアカウントの削除を呼び掛ける運動が勢いを増している。

 2014年にフェイスブックに買収されたメッセージサービス「ワッツアップ(WhatsApp)」の共同創設者、ブライアン・アクトン(Brian Acton)氏はツイッター(Twitter)上で、フェイスブックの対応に抗議するハッシュタグ「#deletefacebook(フェイスブックを削除しよう)」を使い、呼び掛けに加わった。

 現在は競合のメッセージアプリ「シグナル(Signal)」に携わるアクトン氏は、「今こそその時だ。#deletefacebook」と投稿。さらに「削除して忘れよう。プライバシーを大事にする時だ」と呼び掛けた。

 この問題が明るみに出たことでフェイスブックへの批判が高まっているが、世界で20億人を超える同サイト利用者のうち、実際に何人がアカウント削除の呼び掛けに賛同しているかは分からない。

 また、フェイスブックを長年使っている利用者がアカウントを削除した場合、フェイスブックを通じてログインや認証を行うウェブサイトやアプリの使用に支障が出る恐れがある。

 ほかにも、ワッツアップやインスタグラム(Instagram)、メッセンジャー(Messenger)といったフェイスブック傘下のサービスを併せて使っている利用者は、そのアカウントの扱いに関して選択を迫られる可能性がある。

 創業期のフェイスブックに出資していた投資家、ロジャー・マクナミー(Roger McNamee)氏は、米公共ラジオ、ナショナル・パブリック・ラジオ(National Public Radio)で、フェイスブックは利用者の信頼を失いつつあると語っている。

 マクナミー氏は、フェイスブックは「利用者のプライバシーの権利を無神経に軽視し、託されたデータへの注意を欠いた」と指摘。

「何が起こっているのか正確には分からないが、フェイスブックのアルゴリズムとビジネスモデルに体系的な問題があり、悪者たちが罪のない利用者に被害を与えるのを許しているのではないかと懸念している」と述べた。(c)AFP