【3月21日 AFP】英国で起きたロシア人二重スパイの毒殺未遂事件について、ロシア政府は20日、自国の見解を伝えるため、全ての駐ロ大使をロシア外務省幹部との会議に招いたと明らかにした。

 ロシア人元二重スパイのセルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏と娘のユリア(Yulia Skripal)さんが今月4日、英イングランド南西部ソールズベリー(Salisbury)で神経剤を使った襲撃を受けた事件を発端に、英ロ両国の外交関係は危機的な状況になっている。

 英政府は旧ソ連が開発した神経剤「ノビチョク(Novichok)」が事件で使用されたと主張し、襲撃が可能で、かつ動機も目的もあったのはロシアのみだと非難しているが、ロシア側は一切の関与を否定している。

 国営タス通信(TASS)の報道によると、ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官は21日の会議について「ロシアの見解が外国の公式な代表者らに伝えられる」機会になるとの考えを示した。

 ザハロワ報道官によると、会議には軍縮・不拡散を担当する外務省の幹部や専門家も出席するという。

 英政府は事件を受けてロシアの外交官23人を国外退去処分にしたが、ロシア側も報復措置として同数の英外交官に国外退去処分を下している。(c)AFP