【3月21日 AFP】イタリア・ミラノで今週開幕する世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2018)では、平昌冬季五輪の男子シングルで連覇を果たした羽生結弦(Yuzuru Hanyu)をはじめ、多くの五輪メダリストが欠場する中、平昌で新女王に輝いたアリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova、ロシア)が初の世界タイトルを目指す。

 女子シングルでは、平昌五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベデワ(Evgenia Medvedeva、ロシア)が、再発した足のけがを治療するため3連覇が期待された今大会を欠場。現在15歳のザギトワは、ペアに出場するドイツのアリオナ・サフチェンコ(Aliona Savchenko)/ブリュノ・マッソ(Bruno Massot)組と並び、平昌の金メダリストとして世界フィギュアに出場する。

 1992年のクリスティー・ヤマグチ(Kristi Yamaguchi)さん以来となる、五輪と世界フィギュアの連続優勝を目指すザギトワは、「新たな世界記録を出すために自分のプログラムをもっと良くしたい。でも、最大の目標はきれいに滑り、良い結果を出すこと」と意気込みを語った。

 21日にショートプログラム(SP)が行われる女子シングルでは、平昌五輪銅メダリストのケイトリン・オズモンド(Kaetlyn Osmond、カナダ)と2015年大会銀メダリストの宮原知子(Satoko Miyahara)が、ザギトワに挑戦する選手の筆頭格だろう。

 また、平昌で5位に入ったカロリーナ・コストナー(Carolina Kostner)は、地元イタリアの期待を背負って自身14度目の世界フィギュアに挑む。現在31歳のベテランは、2012年大会で金メダルを獲得するなど、これまでに同大会では計6つのメダルを手にしている。他には、マリア・ソツコワ(Maria Sotskova、ロシア)をはじめ、樋口新葉(Wakaba Higuchi)や長洲未来(Mirai Nagasu、米国)が表彰台を虎視眈々(たんたん)と狙う。

 一方の男子シングルでは、足首を痛めているディフェンディングチャンピオンの羽生のほか、世界王者に2度輝いた実績を持つハビエル・フェルナンデス(Javier Fernandez、スペイン)が不在のなか、先月の平昌で銀メダルに輝いた宇野昌磨(Shoma Uno)が、金メダルの最有力候補と目されている。

 また、フリースケーティング(FS)で5本の4回転ジャンプを成功させながら、平昌五輪では5位に沈んだネイサン・チェン(Nathan Chen、米国)もグランプリ(GP)ファイナル覇者として金メダル候補の一角とみられており、中国の金博洋(Boyang Jin、ジン・ボーヤン)やロシア勢のドミトリー・アリエフ(Dmitri Aliev)とミハイル・コリヤダ(Mikhail Kolyada)、そして去年のジュニア世界王者ヴィンセント・ゾウ(Vincent Zhou、米国)が表彰台を争うとみられている。(c)AFP/Emmeline MOORE