【3月21日 AFP】男子テニスのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、「数年ぶり」に痛みを感じることなくプレーできるようになったと明かした。今週行われるマイアミ・オープン(Miami Open 2018)に出場する元王者は、昨年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)以降、半年にわたり戦列離脱を余儀なくされるなど、肘の故障にしつこく悩まされていた。

 サーブのフォームを改良して復帰した今年初めの全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)で4回戦敗退を喫すると、先週のBNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2018)では初戦負け。現在30歳のジョコビッチをめぐっては、12度にわたり栄冠に輝いてきた四大大会(グランドスラム)で再びタイトルを獲得するのは不可能ではないかとする否定的な声が強まっていた。

 それでも、史上最多7度目の優勝を目指すマイアミ・オープンへ向けて仕上げてきたジョコビッチは、グランドスラムを4大会連続で制した2年前のような状態に復活しようとする自身の気力をくじいてきた故障との戦いに、ようやく終止符が打てそうだと話している。

 キービスケーン(Key Biscayne)で23日に大会初戦を迎えるジョコビッチは、「実を言うと、ここ2日で痛みなくプレーできるようになり始めた。前から他の部分には痛みがなかったから、かなりすっきりした」とすると、「何か別のことを頭で考えたり、痛みが出てくるかどうかを心配したりするのではなく、しっかりとテニスに集中できたというのは、ここ数日が本当に久々だった」と明かした。

 また、肘の状態についてAFPから明確な説明を求められたジョコビッチは「(痛みがないのは)数年ぶり」と付け加えたが、その一方で今後どのようにして現世界1位のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に対抗していくかという質問には答えず、自身は復活へ向けた苦難の道のりで学んだ教訓を大切にしたいと述べている。

「自分自身について多くを学んだ。こうしたことを経験できて本当に感謝している。ここ6、7年はテニス界で大きな成功を収めることができ、それについても大変ありがたく思っている」

「でも、今は自分がこれまでに直面したことがない状況や環境と対峙(たいじ)しなくてはいけないのは明らかだ。プロテニス選手になってから、常に軌道は正しい方向へ向かっていたが、それは変わってしまった。だから、前に進んだり、刺激を受けたり、なり得る最高の自分になったりするためにはどうすればいいのか、心を開いて答えを導き出さないといけなかった」 (c)AFP/Steve Brenner