【3月21日 AFP】中国国営の新華社(Xinhua)通信は20日、中国が次世代の超音速機の開発に向けて、「世界最速」の速度を計測できる風洞を建設すると伝えた。音速の25倍に当たるマッハ25で飛行する超音速機の実験を行えるという。設備は超音速ミサイルの開発にも利用できるとみられる。

 風洞は人工的に空気の流れをつくり出すトンネル型の設備で、中に置いた物体に気流を当てることで空気抵抗などを調べることができる。

 新華社が中国科学院(Chinese Academy of Sciences)傘下の研究機関の研究者の話として伝えたところによると、設備は全長265メートル。同通信は「世界最速の超音速風洞」になると紹介している。

 中国科学院はすでに現在の風洞でマッハ5~9の超音速機のシミュレーションを行っているという。

 現行では最速の戦闘機でも速度はマッハ約2.5となっている。

 日本に拠点を置く雑誌「Diplomat」によれば、中国は「DF17」と呼ぶ新型の超音速ミサイルを開発しており、昨年実験を行っている。

 超音速兵器をめぐっては、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が今月、「無敵の」次世代超音速ミサイルを開発したと公表している。(c)AFP