ほかの進路も模索した。昨春には父親に付き添ってもらい、中国南方航空(China Southern Airlines)の客室乗務員の養成学校へ申し込みに行った。だが、学校には4年間通わなければならないこと、また学費は総額で十何万元もすることから、2人は悩んだ末、養成学校へ通うことを諦めたという。

 その後まもなく、地元へ戻り再び大学の統一試験を受けたが、また失敗した。しばらくは父の屋台を手伝うことに決めたという。「手に職をつけるのもいい。ついでにお金も稼げる」と笑顔で話した。

 ネット上で議論を呼んでいる動画について、父親は「動画を撮っていた人に、なぜ娘を大学に行かせないのか聞かれ、受からなかったからと答えた。すると大学に受からなくても専門学校に行かせてあげればいいじゃないかと言うので、カッとして言い返したんだ」と説明した。

「親なら誰でも子どものためを思っている。焦ることはない、何事にも過程が必要なんだ」

 父親は、20歳になる前に南京に出てきてアルバイトを始めたという。「小学校しか出ていないから苦しかったが、子どもたちに同じ思いはさせたくない。教育は重要だ。娘の下にもう一人息子がおり、今年は小学校6年生になる。習い事もさせている」と話した。

 動画が話題になったおかげで、良いこともあった。あるメディアから趙艶さんに見習いに来てはどうかと声がかかったのだという。「本人は自信がないと心配しているようだが、屋台の仕事を手伝ってくれなくてもいいから、社会勉強のチャンスになると思う」。(c)東方新報/AFPBB News