【3月21日 東方新報】「大学出たって、大学院出たって就職は難しい。専門学校だって4年間で十何万元もかかるし、時間の無駄だ」──。

 中国・江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)でニラまんじゅうの屋台を手伝う19歳の少女と父親の動画が、中国のインターネットを騒がせた。「この父親は将来を見据えていない」「このおじさんの言うことも一理ある」など、さまざまな議論が沸いた。

 動画に映っていた趙艶さん(19)は昨年に高校を卒業したばかりで、大学に合格できなかったため、暮らしていた江蘇省宿遷市(Suqian)を離れ、父のニラまんじゅう屋を手伝いに南京に来たのだという。

 記者は、この親子を訪ねた。屋台が出るという病院の門の前で待っていると、三輪車がやって来た。三輪車が見えると、周囲にはニラまんじゅうを求めて客が集まってきた。

 親子は素早く屋台を組み立てると、生地をこね始めた。父親が生地をこね終わり小さく切っていくと、隣で娘が生地を皮状に広げ、春雨とニラ、卵を混ぜて味付けした具を包む。娘も手馴れたものだ。ニラと卵の香りが辺りに広がり、客が列を作っている。

趙艶さんは昨年春、五つの大学の芸術コースを受験したが手応えがなく、父親のもとに来た。