【3月21日 東方新報】偽のサプリメントを販売したとして、西安市(Xi'an)公安局食品薬品犯罪調査チームは張楊、方林の両容疑者を検挙した。コストがわずか数元のサプリメントを数百元で売り、張楊容疑者はわずか1年で家と高級車まで手に入れていた。

 偽物を売りさばくなどした金額は約1200万元(約2億円)に上り、商標権侵害などの罪に問われている。捜査にあたっては、アリババ(Alibaba)プラットフォームの偽物販売店撃退チームの支援を受けた。

■購入者は嘔吐(おうと)や胃腸のけいれん

 2016年6月、ある有名なサプリ製造業者に、インターネットを通じて購入したサプリが偽物だったと消費者から通報があった。製造業者はすぐに調査を行い、通報のあった品物が偽物だと判断した。

 通報した消費者は古い顧客で、通常は薬局から購入するというが、今回はウィーチャット(WeChat)を通じて、ある販売員と連絡を取って購入した。しかし、届いたサプリを家族が服用したところ、嘔吐や腹痛、胃腸のけいれんなどの症状が現れたことから、製造業者に苦情を伝えたという。

 この消費者の話によると、ウィーチャットで連絡を取った販売員は「北京の薬品会社の社員」と名乗っていて、違和感を感じなかったという。5万元(約83万円)を支払い、サプリを購入した。

■販売ルート

 調べによると、生産は江西省(Jiangxi)で方林容疑者が行い、販売は吉林省(Jilin)長春市(Changchun)を拠点に張楊容疑者が担当していた。淘宝(タオバオ、TaoBao)に商品を出品し、手分けしてウィーチャット上での客とのやりとりと発送を行っていた。

 方林容疑者は以前にも、偽のサプリを仕入れてオンラインストアに売って利ざやを稼いでいたほか、タオバオで偽物を売っていることがばれてプラットフォームから店舗が撤去されたこともある。偽サプリの販売では、発送作業を効率よくするため、物流拠点を持つまでになった。

 両容疑者は警察の捜査をかいくぐるため、互いの取引はアリペイ(Alipay)で行い、客との取引などすべてインターネット上で行っていた。

 警察によると、連絡はウィーチャットなどのツールを通して行われたので捜査が難しかったという。(c)東方新報/AFPBB News