【3月20日 AFP】ワールドラグビー(World Rugby)は19日、2019年ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)欧州予選のスペイン対ベルギーの試合をルーマニア出身の審判が担当したことについて調査する意向を示した。この試合ではスペインが10-18で敗れたため、ルーマニアが本大会出場権を獲得していた。

 ベルギー・ブリュッセルで18日に行われた問題の試合では、スペインの選手が試合終了後にルーマニア人審判に詰め寄り、審判が警備されながらピッチを後にするという事態に発展した。通算2度目のW杯出場を目指していたスペインは、この敗戦でポルトガルとのプレーオフに回り、その勝者がサモアとのヨーロッパオセアニア地区プレーオフに進出する。

 スペインラグビー連盟(FER)は18日、ラグビーヨーロッパ(Rugby Europe)とワールドラグビーに対して正式に抗議。これを受けてワールドラグビーは声明を発表し、「2019年W杯の欧州予選を兼ねたラグビー欧州チャンピオンシップ(Rugby Europe Championship)の審判選定について、ワールドラグビーは権限は持っておらず、18日に行われたベルギー対スペインの試合に関する事情を把握するため、ラグビーヨーロッパと連絡を取っている」と述べた。

 ラグビーヨーロッパは、試合の責任者から報告書が提出されるのを待ってから何らかの措置を取るとしており、「ラグビーヨーロッパの審査会は、ベルギー対スペインの審判選定に関する責任者の審査報告書を待っている」との声明を発表した。

「委員会はポーランド・ポズナニ(Poznan)で23日に会議を開く予定となっている。議題は当初の予定から変更され、大部分はベルギー対スペインに関するあらゆる局面を分析する時間に充てられる。会議終了後には、ラグビーヨーロッパの理事会を通じて声明を発表する」

 当日の試合直後には、スペインラグビー連盟のアルフォンソ・フェイホ(Alfonso Feijoo)会長が、同国の敗因は審判にあるとして、国内ラジオ局のカデナ・セル(Cadena Ser)に対して「試合を見ていたものは誰でも審判に目を向けるだろう。彼はわれわれに対して10回のペナルティーを科した。今回の結果はそこから生まれた」と批判していた。

 しかしながら、19日に帰国したスペイン代表のハイメ・ナバ(Jaime Nava)主将は、チームが審判に対して攻撃的な反応をみせたことについて謝罪し、「レフェリーを責め立てたことについては本当に申し訳なく、チームの主将として謝罪したい。あの行為はラグビーの精神やチームのアイデンティティーを表すものではない」と語った。(c)AFP