【3月19日 AFP】オーストラリアを訪問しているミャンマーのアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問は19日、翌日にシドニーで予定されていた講演と質疑応答への出席を取り止めた。主催者側によると、スー・チー氏の「体調不良」が原因だという。

 スー・チー氏は16~18日にかけてオーストラリアで行われた東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議に出席し、19日はマルコム・ターンブル(Malcolm Turnbull)豪首相との会談のため首都キャンベラに滞在。20日に同国の外交シンクタンク、ローウィー研究所(Lowy Institute)で基調講演および質疑応答を行う予定だった。

 ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者でもあるスー・チー氏の豪訪問にとって、このイベントが唯一の公開の場で発言する機会となる予定だったものの、同研究所の広報担当者は声明で「スー・チー氏が体調不良のためイベントに出席できないと、ミャンマー大使館側から連絡を受けた」と明らかにした。

 スー・チー氏は、70万人近いイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が隣国バングラデシュに流出する事態を招いたミャンマー・ラカイン(Rakhine)州での軍による弾圧について沈黙を続けており、国際社会の激しい批判にさらされている。(c)AFP