【3月19日 AFP】一時は男子テニス界で最も才能ある若手選手の一人と評されながら、度重なる故障にキャリアを狂わされたファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)――。2年前には引退の瀬戸際まで追い込まれたが、米インディアンウェルズ(Indian Wells)で18日に行われたBNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2018)決勝で再び栄冠に輝いた。

 この日、世界ランキング1位のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)を6-4、6-7(8-10)、7-6(7-2)で破ったデルポトロは試合後、「こんな瞬間は想像できなかった。3度目の手術を受けるまで、私がテニスを辞める寸前だったのは誰もが分かっていた」とすると、「カムバックするためにものすごい努力をした。今は自分に欲しいすべてのものが備わっている。テニスを改善し続け、自分に何ができるか見たい」と語った。

「数年前には最悪の瞬間もあったが、もう振り返りたくない。今は自分の人生と世界中でのプレーを楽しんでいる。次なるものに向かってわくわくしているんだ」

 左手首の手術から2016年に復帰するまで、一時は世界1045位まで落ちたデルポトロだが、今年に入って2014年以来4年ぶりにトップ10に復帰。現在は同8位につけているが、ランキングのことは考えず、できるだけ長く今のペースを持続させたいと考えているという。

 今月初めのメキシコ・オープン(Abierto Mexicano TELCEL Presentado Por HSBC 2018)に続き2週連続となった今回のタイトルについてデルポトロは、「本当に大きい。この大会を自分が制したなんて信じられない。非常に高いレベルのテニスで、ロジャーを大舞台の決勝で倒したなんてね」とすると、「数字のことは気にしない。できることなら、このような形でタイトルを取り続けたい」と付け加えた。

「我ながら驚いている。今回と数年前を比較したくはないが、今は日々やらなくてはいけないことを楽しんでいる」「それは自分にとって驚きの人生でもあるし、うれしく思っている」と話す29歳は今後、次の大会が行われる米マイアミへと移動する。(c)AFP/Greg Heakes