【3月19日 AFP】トルコが隣国シリア北西部アフリン(Afrin)でクルド人民兵組織「クルド人民防衛部隊(YPG)」に対して実施している軍事作戦で、トルコ軍と同軍が支援するシリア反体制派武装組織は18日、アフリン全域を掌握した。クルド人側の抵抗はなかったとみられ、トルコは2か月にわたる戦闘に勝利した。

 AFPの特派員によると、進軍したトルコ軍ならびに同盟関係にあるシリア反体制派が市内全域に素早く展開した。

 シリア反体制派は勝利のVサインを掲げ、市庁舎前に放置されたトルコ軍の戦車と一緒に写真を撮影するなどしていたが、その後は略奪行為を始め、クルド人の英雄の銅像は破壊された。

 ここ数日でトルコ側の部隊がアフリン周辺地域を制圧し、市全域をほぼ包囲すると、民間人約25万人はYPGもしくはシリア政権側が支配する南方へと避難した。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、トルコが支援する武装勢力が市中心部を掌握したと勝利宣言し、多数のクルド人戦闘員が「しっぽを巻いて逃げた」と述べた。エルドアン氏はさらに、シリア北部の他のクルド人勢力支配地域にも軍事作戦を行う可能性があるとの考えを示した。(c)AFP/Bulent Kilic