【3月19日 AFP】(更新、写真追加)ロシアで18日に投票が行われた大統領選挙は即日開票され、現職のウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が76%を超す得票率で再選した。中央選挙管理委員会が19日、発表した。通算4選となる。ただ反体制派は、票の水増しといった不正があったと指摘している。

 今回の選挙には、ほぼ20年間にわたりロシアを率いてきたプーチン氏に加え、7候補が出馬。ただ政権批判の急先鋒(せんぽう)に立つ野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏は法的な理由から立候補を禁止されていたため、プーチン氏は以前から再選確実とみられていた。

 中央選挙管理委員会によると、99.8%が開票された時点でプーチン氏の得票率は76.67%。2位のロシア共産党候補パベル・グルディニン(Pavel Grudinin)氏を大きく突き放している。

 圧勝の見通しを受けてプーチン氏は、首都モスクワの大統領府(クレムリン、Kremlin)そばのマネージ広場(Manezh Square)に集まり歓声を上げる市民を前に、「国民の信頼と希望」が示されたと述べた。

 英国での元スパイ毒殺未遂事件や米国による新たな制裁など、世界の舞台で孤立を深めつつあるロシア政府は、プーチン大統領の歴史的な通算4期目の正当性をより強固にするため、高い投票率を望んでいた。

 有権者は約1億700万人。各投票所ではセルフィー(自撮り)大会や景品、子ども向けの出し物などが用意され、お祭りムードが演出された。中央選挙管理委員会によると、当局がアメとムチで引き上げを狙った投票率は60%に上ったという。

 一方、反プーチン派の独立系紙ノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)は、国営および民間企業の従業員らが投票圧力を受けたと訴えており、また学生の中には投票しなければ退学などの処分を迫られた人もいたと報じている。(c)AFP