【3月18日】(写真追加)アフガニスタンの首都カブールにある自宅でベビー用歩行器につかまりながら歩き回る「ドナルド・トランプ(Donald Trump)」くん。幸いなことに、まだ幼い彼には自分の「異端者」の名前が、保守的なイスラム教徒が多数を占める同国で騒動となっていることはまだわからない。

 ドナルドくんの両親は、大富豪の実業家から米大統領に上り詰めたドナルド・トランプ氏のような、成功した人生を歩んでほしいとの願いを込めて、3人目の子どもを「ドナルド・トランプ」と名付けた。だがドナルドくんの身分証明書の写真がフェイスブック(Facebook)に投稿されたことを機に、アフガニスタンではソーシャルメディアに批判などが相次ぎ、物議を醸している。

 トランプ大統領のファンを自認する父親のサイヤド・アサドゥラ・プーヤ(Sayed Assadullah Pooya)さん(28)によれば、息子を「ドナルド・トランプ」と名付けたことで、プーヤ夫妻を汚い言葉で非難したり中傷したりするコメントが殺到するようになった。中には、ドナルドくんの命を危険にさらしていると批判したり、息子に「異端者の名」を付けたプーヤさんを殺害すると脅迫したりするフェイスブックのユーザーもいたという。

 他にも、息子にトランプ大統領と同じ名をつけたのは米国への亡命が目的ではないかとの臆測も出ているが、プーヤさんは絶対にそんなことはないと否定している。プーヤさんはこの騒動により、自身のフェイスブックのアカウントの閉鎖を余儀なくされたという。

「家の外に出ると恐怖を感じる」と話したプーヤさんは現在、カブールのイスラム教シーア派(Shiite)の住民が多く住む地域に暮らしているが、隣人たちからも脅され、家族で出て行くように強いられているという。(c)AFP/Mushtaq MOJADDIDI/Allison JACKSON