【3月18日 AFP】中国の全国人民代表大会(全人代、National People's Congress、国会に相当)は18日、李克強(Li Keqiang)首相(62)を再選した。しかし、前日に同じく再選されその権力がさらに強固になるとみられる習近平(Xi Jinping)国家主席の影で、李首相の存在感は低下している。

 北京の人民大会堂(Great Hall of the People)で開催された全人代で、李氏は賛成2964票、反対2票で再選された。習主席は前日、全会一致で再選されていた。

 2013年に首相に任命された李氏は、習氏が権力基盤を固め、肩書きを積み上げ、周辺を強力な盟友で固めていくのを見てきた。

 しかし習氏の推し進める汚職撲滅キャンペーンで汚職摘発に努めてきた、経済専門家の王岐山(Wang Qishan)氏が国家副主席に選出されたことは、政府において李氏の存在感が低下していることを示している。

 英ノッティンガム大学(University of Nottingham)中国政策研究所(China Policy Institute)のジョナサン・サリバン(Jonathan Sullivan)氏は「李氏は、伝統的に首相の管轄とされてきた経済政策の分野から脇に追いやられていた」と語った。

 サリバン氏は王氏をはじめとする高官に言及し、「習主席の周囲にいる人物たちの中で最も影響力があるのは、習主席が巧みに中心的な役職に配置した同主席の盟友たちだ」「そうした状況の中で李氏が影響力を及ぼす余地はあまりない。李氏の疎外化が進んでも大して驚くことではない」と述べた。(c)AFP