【3月18日 AFP】サッカー元ブラジル代表で、政治家に転身したロマーリオ(Romario)氏が17日、リオデジャネイロ市長選への出馬を表明し、暴力対策を公約の最優先事項に掲げた。財政破綻の危機にひんしているリオデジャネイロでは暴力がまん延しており、セキュリティー確保のために軍隊が出動する事態になっている。

 スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)などで活躍し、1994年のW杯米国大会では優勝を経験しているロマーリオ氏は、2010年に下院議員、2014年に上院議員に選出されると、自身にダウン症候群の娘がいることもあり、議会では身体障害者への支援に尽力した。

 ブラジル代表の元チームメートであるベベット(Bebeto)氏やアルバロ・ヒアス(Alvaro Hias)上院議員、所属する中道派政党のポデモス(Podemos)のレナータ・アブレウ(Renata Abreu)党首とともに出馬会見に臨んだロマーリオ氏は、「私には管理者としての経験がない。これは神の意志だ。人生で学んできたことのすべてを行動で示す初めてのチャンスだ」と語った。

「このような混乱時には変革が不可欠であり、変革こそが緊急の課題だ。リオは常に安全面の問題を抱えているが、現在ほどのひどい状況は過去になかった」

 サッカー界の汚職を糾弾する著書を先日出版したロマーリオ氏だが、自身もこれまで複数のスキャンダルに巻き込まれている。同氏は借金の返済を免れるために資産を隠したとして調査されているが、日刊紙グロボ(O Globo)はこの疑惑を本人が否定していると伝えており、出馬会見では質問に答えなかった。

 大統領を罷免されたジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)氏を支援していたロマーリオ氏は、前回のリオデジャネイロ市長選では勝利したマルセロ・クリベラ(Marcelo Crivella)氏をサポートしたが、のちに同氏とは距離を置いていた。(c)AFP