【3月17日 AFP】米フロリダ州マイアミのフロリダ国際大学(FIU)で15日に崩落しこれまでに少なくとも6人の死者を出した歩道橋の主任技術者が、2日前の13日に橋梁(きょうりょう)にひびが入っていると当局に伝えようとしていたことが分かった。同州運輸局が16日、明らかにした。

 運輸局の声明によれば、歩道橋プロジェクトの主任技術者デニー・ペイト(Denney Pate)氏が13日に同局職員の固定電話にボイスメールを残して問題を指摘していた。

 公表された電話の録音記録によるとペイト氏は「橋梁の北端にいくつかのひびが見られた」と述べたものの、「修理など何らかの手を打つ必要があるのは間違いないが、安全面の観点からは何も問題はないと思う」として、崩落が差し迫っていると警告はしていなかった。

 職員は不在だったため、このボイスメールを聞いたのは崩落翌日の16日だった。

 マイアミデード(Miami-Dade)郡の消防によると、重さ950トンの歩道橋は突然崩れ、少なくとも8台の車が下敷きになった。歩道橋はFIUのキャンパスと学生寮区画を隔てる6車線の幹線道路の上に建設されてから1週間もたっておらず、崩落時はまだ使用されていなかった。

 同郡警察によれば、現在は生存者の捜索・救助から遺体の収容に軸足を移しており、技術者らは歩道橋の反対側の支持構造物も崩れる恐れがあると懸念しているという。(c)AFP