【3月17日 AFP】(更新)ジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)米司法長官は16日、連邦捜査局(FBI)のアンドリュー・マケイブ(Andrew McCabe)元副長官を、不祥事を理由に解雇したと発表した。マケイブ氏はFBIでの勤続期間が20年に達し完全な年金受給資格が得られるまであと数日というところだった。

 セッションズ司法長官は声明で「アンドリュー・マケイブとの雇用関係を即時発効で打ち切った」と述べた。

 米司法省は、内部調査の結果、マケイブ氏が許可なくメディアに情報を開示した上、同省の監察官に対して十分に誠実とはいえない態度を複数回にわたって取っていたことが分かったとしている。

 監察官による調査は、2016年の米大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の対立候補だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)元国務長官について同年FBIが行った捜査に関連したものだが、その詳細は明らかにされていない。

 トランプ氏は、国務長官在任中の私用メールサーバー不正使用疑惑や、夫のビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領が設立したクリントン財団(Clinton Foundation)の活動に関してヒラリー氏が訴追されないようにしたとしてマケイブ氏と当時FBI長官だったジェームズ・コミー(James Comey)氏を繰り返し非難していた。

 マケイブ氏は解雇を受けて激しい言葉遣いの声明を発表し、その中で監察官による調査は「私から地位を奪い、私の名声を地に落とし、21年間働いた末に手にしようとしていた年金もおそらく私から奪おうという、政権による大統領自身が推し進めた前例のない動きの一部になった」と述べた。

 解雇により司法省はマケイブ氏への年金を拒否できる。マケイブ氏はセッションズ司法長官の決定に異議を申し立てると述べた。(c)AFP/Paul HANDLEY