【3月17日 AFP】シリアの首都ダマスカス近郊の反体制派支配地区、東グータ(Eastern Ghouta)で続く政権側の攻勢に関し、ロシア国防省は、同地区空爆へのロシア軍機の関与を否定した。一方、在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human RightsSOHR)」は、同地区で16日行われたロシアによる空爆で、民間人80人が死亡したと発表している。

 通信各社によれば、ロシア国防省は「いわゆる『ロシアの東グータ空爆』に関するSOHRの言い分は、新たな『フェイク』(偽ニュース)にすぎない」と主張。「ロシア軍機は東グータで軍事作戦を抱えておらず、一切実施していない」と述べた。

 同監視団は、空爆を実施している航空機の出所は、種別、位置、飛行パターン、使用された弾薬によって特定していると説明。16日の東グータ南西部に対するロシアの空爆で、少なくとも民間人80人が死亡したと発表した。

 国連(UN)による停戦の呼び掛けにもかかわらず、政権側の東グータ攻撃は1か月近く続いており、同監視団によると、これまでに少なくとも1350人の民間人が死亡した。

 ダマスカス中心部からの砲撃の射程圏内に広がるグータ郊外の半農業地域では、多くの民間人がわずかな所持品とともに破壊された町から退避している。15日に退避した民間人は推計で約4万人に上った。(c)AFP