【3月16日 AFP】米韓両国は北朝鮮との外交関係の雪解けに配慮し、毎年恒例の合同軍事演習の規模を縮小し、期間も例年の2か月から1か月に短縮する意向だ。韓国・聯合ニュース(Yonhap News)が16日、軍関係筋の情報として報じた。

 毎年春に行われる米韓合同軍事演習「フォールイーグル(Foal Eagle)」と「キーリゾルブ(Key Resolve)」に北朝鮮は決まって反発。米韓による合同演習は侵略の準備だと非難しては北朝鮮流の挑発で応じ、朝鮮半島情勢を緊迫化させてきた。

 しかし米韓と北朝鮮は現在、平昌冬季五輪をきっかけとした和解ムードのさなかにある。韓国は4月に南北首脳会談を行うと発表。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領も5月末までに北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長と会談すると述べている。

 今回の合同演習は、先月行われた平昌五輪との日程のかぶりを避けるために延期されていた。しかし韓国大統領府(青瓦台、Blue House)高官によると、金氏は先週訪朝した韓国特使団に対し、米韓合同演習が実行されたとしても「理解する」と述べたという。

 聯合ニュースによると、コンピューターベースのシミュレーションを使った指揮所演習キーリゾルブは来週から、兵士数万人が参加する野外機動訓練フォールイーグルは4月上旬に開始されるが、後者は期間が2か月から1か月に短縮される。また、朝鮮半島情勢が緊迫化するとしばしば半島近海に展開している米軍のB1B「ランサー(Lancer)」戦略爆撃機や空母打撃群は、今回の演習には参加しないという。(c)AFP