【3月16日 AFP】1か月にわたりシリア政府軍の激しい包囲攻撃が続く首都ダマスカス近郊の反体制派支配地区、東グータ(Eastern Ghouta)から15日、約2万人の民間人が脱出した。在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が明かした。政府軍は全域の奪還に向けて攻勢を強めている。民間人の死者はこれまでに1250人近くに上り、5分の1が子どもたちだ。

 人権監視団によると、ロシア軍の支援を受けた政府軍は東グータの70%を制圧し、反体制派の支配地域を3つに分断。15日には地区南部の町ハムリエ(Hammuriyeh)に空と地上から猛攻をかけ、制圧した。

 政府軍がハムリエに進撃したことで、この町を通過して政府側の支配地域へ脱出するルートが開けた。大勢の女性や子どもたちが袋に詰めた衣類を抱え、スーツケースやじゅうたんを山積みにしたベビーカーを押すなどして避難。監視団によれば、15日夜までの24時間で2万人近くが地区外へ脱出し「グータ攻撃開始以来、最大規模の立ち退き」となったという。

 避難民らがアドラ(Adra)地区の政府側検問所に到着すると、救急車と緑色の大型バスが待機しており、一時収容施設へと人々を移送していった。

■2万6000人分の食料到着、赤十字「必要物資のほんの一部」

 東グータは2012年から反体制派が拠点としてきた地区。2013年以降は政府軍の厳しい包囲下にあり、約40万人の住民が食料の入手に苦しむ一方、病院は医薬品や物資の不足のため機能不全に陥った。昨年5月には「安全地帯」に指定されたにもかかわらず、ロシアの支援を受けたシリア政府軍は今年2月18日から東グータに猛攻をかけている。

 今も反体制派が掌握している地区最大の町ドゥマ(Douma)では15日、赤十字国際委員会(ICRC)とシリア・アラブ赤新月社(Syrian Arab Red Crescent)、国連(UN)が協力して手配した2万6000人分の食料を積んだトラックが到着したが、赤十字は「人々が必要としている物資のほんの一部にすぎない」と述べている。

 今回の食料支援には、初めてICRCのペーター・マウラー(Peter Maurer)総裁も同行した。国連は繰り返し東グータにおける即時停戦を要求しているが、無視され続けている。(c)AFP/Rim Haddad with Hasan Mohammed in Douma