【3月16日 AFP】通常であれば、人種差別や暴力行為、ダイブ行為に対抗することを試みる欧州サッカー連盟(UEFA)が15日、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)の一戦を野良ネコに中断させてしまったベシクタシュ(Besiktas)に処分を下すという新境地に踏み出した。

 UEFAは、14日に行われたバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)戦で、ファンがピッチにものを投げ込んだり、階段をふさいだりしたことに加え、十分に秩序が保たれていなかったとして、ベシクタシュが処分に直面していると発表した。

 UEFAの広報担当がAFPの取材に応じたところ、後半5分ころにベシクタシュの本拠地ボーダフォン・アリーナ(Vodafone Arena)にネコが現れたことが「十分に秩序が保たれていなかった」ことに該当するという。

 イスタンブールの街には数千匹に上る野良猫が徘徊(はいかい)しており、裏通りのみならず公共の建物、コンサートホール、レストランをすみかにして大切に扱われている。

 スタジアムが爆笑の渦に包まれる中で審判がプレーを中断すると、やがてネコはおとなしくピッチを去り、約1分後に試合は再開された。

 この試合を3-1で制し、2試合合計スコア8-1で勝ち抜けを決めたバイエルンはこの件を笑い飛ばしている。

 バイエルンのトーマス・ミュラー(Thomas Mueller)は独紙ビルト(Bild)に対し、「このスタジアムでどれほどのネコがくつろいでいるのかは分からないけれど、面白い時間だった。スタジアムのスタッフにとっては簡単なことではなかっただろう。ネコはちょっと怖がっていた。広告看板を飛び越えてくれたから、ぼくらも安心したよ」と語った。

 また、この試合でゴールを決めたバイエルンのザンドロ・ヴァーグナー(Sandro Wagner)は、「犬を1匹飼っているんだけど、犬なら簡単に捕まえられる。でも、ネコはどうだろう」と語っている。

 UEFAは5月31日にこの件の審問を行うことになっている。(c)AFP