【3月18日 CNS】中国・広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)南寧市(Nanning)隆安県(Long'an)にある婭懐洞(Yahuaidong)遺跡で3年前から発掘を続けていた広西文物保護・考古研究所は12日、約1万6000年前の墓と、完全な形の頭骨を含む化石人骨、1万点以上の石器を発見したと発表した。1929年に北京(Beijing)で発見された上洞人の墓に次いで、中国では二か所目の旧石器時代の墓となる。

 謝光茂研究員によると、鑑定の結果、今回発見された化石人骨は1体の同一人物のものであることがわかった。中国・嶺南(Lingnan)地区でこれまでに発見された中では唯一、地層の年代が明確で、年齢をほぼ正確に予測できる完全な頭骨を含む化石人骨だ。後期更新世の現生人類の多様性や移動、交流についてや、旧石器時代後期の人類の埋葬習慣などの研究に対して、重要な学術的価値があるという。

 出土した約1万点の石器は、ナイフやスコップなどの打製石器で、石英岩や隕石などを加工したものだという。

 謝研究員は、「これらの石器は、嶺南地区でこれまで発見されてきた石核石器とは対照的だ。この一帯では、薄いかけらが特徴の剥(はく)片石器が使われていたことがわかる。東南アジアの旧石器時代の遺跡からも出土したことがある」と話した。

 婭懐洞遺跡は2014年に発見された。山の上にあり、遺跡の総面積は100平方メートル以上ある。15年6月から発掘を開始し、現在は深さ8メートルまで発掘が進んでおり、4万4000~数千年前の埋蔵物が出土している。(c)CNS/JCM/AFPBB News