【3月16日 CNS】中国全土で繰り広げられた2018年の春運(春節時の帰省ラッシュ)が、12日で終わった。期間中、40日間の旅行者数はのべ約29億7000万人で、昨年とほぼ同じ規模だった。今年の春運の特徴は、気配りを重視したユニークなサービスが多く登場した。

 1980年代の改革開放以後、地方の農民が都市で働く出稼ぎが盛んになり、春運は社会現象になった。84年の春運の利用者数は約5億人だったが、近年は約30億人に上る利用者が、春運期間の運送に大きな圧力をかけている。

 また、春節に故郷に戻る際の列車の切符をいかに「奪い取る」かが毎年、人々の関心事になる。

 国家鉄路局が管理する中国鉄路(China Railway)の各部署では、春運対策を実施した。中国鉄路で運営する切符販売サイトでは、販売枚数を1000万枚から1500万枚に拡大し、90%以上の切符を認証不要にするなど、旅行客が切符を確保しやすいようにした。

 中国交通部では、今年の春運期間の輸送能力は、全体的に利用者のニーズに対応できたとしている。切符が入手困難な問題などは以前と比べてさらに緩和され、石炭や天然ガス、食料品など重要物資の運送についても全体的に滞りなく順調だったと発表している。

 今年はまた、各部門が協力し、インターネットやビックデータなどITを活用して、市民に快適に利用してもらうための措置を講じた。インターネットによる乗車券購入サービスや、お出かけ情報、路線案内など、道路網の監視や情報発信を強化した。

 モバイル精算や携帯電話からの切符予約、QRコードを利用した自動改札などのサービスが多く登場し、旅行者の満足度も大きく向上した。第三者機関による調査データによると、74.8%の旅行者が今年の春運業務に対して「満足」「昨年時よりも改善された」と回答。満足度は、昨年と比べ3.8ポイント伸びている。(c)CNS/JCM/AFPBB News