【3月17日 AFP】「海から上がると、めちゃくちゃ寒いんですよ」と、ウン・ホルゲーセン(Unn Holgersen)さん(32)は言う。北極圏にあるノルウェー・ロフォーテン諸島(Lofoten Islands)の沖合で、彼女はほぼ毎日極寒の波に乗っている。

 壮観なオーロラも見られるこの地は今、冬真っただ中。水平線は緑色に光り、海水の温度は4度だ。寒く、人里離れた地だが、ホルゲーセンさんはロフォーテン諸島で暮らすことに決めた。冬のサーフィンで味わえるスリルに夢中だからだ。雪に覆われた砂浜で、ホルゲーセンさんとほかの熱心なサーファーたちが、氷点下15度の気温と、たけり狂う海に挑む。

 ロフォーテン諸島にあるウンスタッド(Unstad)は、サーファーに人気のスポットだ。北極圏内にあり、シベリア北部やアラスカとおよそ同緯度に位置する。大西洋からノルウェーの沖合へ流れ込むメキシコ湾流(Gulf Stream)のおかげで海水が暖まり、サーフィンが可能となる。

 サーファーの一部には、欧州南部やインドネシアのバリ(Bali)よりも、ここの方が良い波が来ると言う人もいる。「快晴の日が多く、混んでいない。そして美しい景色が広がっている」とホルゲーセンさんは語る。「なにもかもが完璧なんです」(c)AFP