【3月15日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は国家経済会議(NEC)の次期委員長に、経済評論家のラリー・クドロー(Larry Kudlow)氏を起用する。ホワイトハウス(White House)が14日発表した。クドロー氏は保守派のテレビコメンテーターで自由市場の支持者。トランプ政権の保護主義的な政策により貿易戦争の懸念が広がるなか、経済政策のかじ取りを担う。

 ゲーリー・コーン(Gary Cohn)現委員長は先週、トランプ氏が決めた鉄鋼とアルミニウムへの追加関税に抗議して辞任を表明していた。

 ホワイトハウスのサラ・サンダース(Sarah Sanders)報道官は、クドロー氏が大統領経済政策顧問とNEC委員長へのポストを提示され、受諾したと明らかにした。

 米経済専門局CNBCで長年コメンテーターを務めてきたクドロー氏は、トランプ政権の減税や規制緩和を強く支持。半面、関税引き上げについては最近のコラムでどんな利益があるとしても損失の方が圧倒的に大きいと指摘するなど、公然と批判している。

 伝統的な自由市場主義者の共和党員らは、クドロー氏がスティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)財務長官とともに、大統領顧問のピーター・ナバロ(Peter Navarro)氏ら優勢な立場にあるとみられる強硬な保護主義者らを相対的に弱めることを期待している。

 米株価は、トランプ氏1日に今回の関税政策を進めると表明して以来、下落基調にある。さらにレックス・ティラーソン(Rex Tillerson)国務長官の解任や、トランプ氏が中国に対する新たな関税を計画しているとの報道を受けて13日も続落した。(c)AFP/John BIERS