【3月14日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は13日、「拳銃騒動」によりリーグ戦が無期限延期となっているギリシャの問題解決に向け、使節団を派遣していると明かした。ギリシャ・スーパーリーグ(1部)は、11日に行われたPAOK FC対AEKアテネ(AEK Athens)の試合で、PAOKのイバン・サビディス(Ivan Savvidis)会長が拳銃を携帯してピッチに乱入した問題を受け、リーグ戦全試合が無期限延期となっている。

 FIFAの欧州理事を務めるビョルン・バッサージョ(Bjorn Vassallo)氏は、問題について話し合うために使節団が13日夜にアテネ(Athens)入りしたと明かし、ギリシャのヨルゴス・バシリアディス(Yiorgos Vassiliadis)政務官に送った書簡で「FIFAはサッカーからあらゆる形態の暴力を排除するため、妥協のない断固たるアプローチを求めている」と伝えたとしている。

 ギリシャ系ロシア人の実業家として知られるサビディス会長は13日、自身の行為について声明で「起きてしまったことを申し訳なく思う。私にはこういった形でピッチに入る権利がなかったことは明白だ」と謝罪したが、欧州クラブ協会(European Club Association、ECA)はPAOKに資格停止処分を科している。

 サビディス会長は「あらゆるレベルで攻撃を受けているが、わたしは公正なサッカー、フェアな判定のために戦い続ける。勝敗はピッチで決まるものであり、法廷で決まるものではない」とし、ギリシャサッカー界は「完全に病んでいる」と非難した。

 審判やAEKアテネ側とは口論になっていないと断言するサビディス会長は、ピッチに乱入したのは暴力が起きるのを阻止することだけが目的だったと主張しており、「私の狙いはただ一つ、数万人のPAOKファンを挑発、衝突、人権侵害から守ることだった」と語った。

 12日の騒動後に逮捕状が出されたサビディス会長は、リーグでは主要スポンサーの株を所有しており、ギリシャのアレクシス・チプラス(Alexis Tsipras)首相とも親密な関係にあるとうわさされている。チプラス首相はサビディス会長がギリシャのビジネス界で成功するために便宜を図ったと批判を浴びている。(c)AFP/John HADOULIS with Vassilis KYRIAKOULIS in Thessaloniki