【3月14日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は13日、就任後初めてカリフォルニア州を訪問し、メキシコ国境付近に建設を希望している壁の試作品を視察した。その上で、物議を醸しているこの壁がなければ「大騒動」が発生するだろうという見方を示した。

 トランプ大統領はメキシコのティフアナ(Tijuana)と国境を接するカリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)のオタイメサ(Otay Mesa)に1つ当たり30万ドル(約3200万円)以上の費用を掛けて建設された8つの壁の試作品を自ら検分し、「『壁は無用』という人々に言いたい。もしこの一帯に壁がなかったとしたら、国そのものさえないことになる」と述べた。

 さらに大統領は、「2フィート(約60センチ)先」のメキシコ側に居るかもしれない犯罪カルテルを監視できるよう、警察など当局が壁の向こうを見えるようにしなければならないという主張を繰り返し、「壁がなければ大騒動になるだろうと想像する」と話した。

 国境の向こう側ではトランプ氏に抗議する少人数のグループがデモを行い、米国とのビジネスをボイコットする計画を発表した。

 全米で最も人口が多く民主党が優勢な「黄金の州」(カリフォルニア州の俗称)への今回の訪問は、トランプ氏自身が発表したレックス・ティラーソン(Rex Tillerson)国務長官解任のニュースに話題をさらわれる形になった。(c)AFP/Veronique Dupont with Said Betanzos in Tijuana