【3月13日 時事通信社】米朝の非公式対話に参加してきたリビア元国務副次官補は12日、電話取材に応じ、トランプ大統領が金正恩朝鮮労働党委員長との非核化をめぐる直接会談を受け入れたことについて、「北朝鮮は非核化を望んでいない」と明言した。その上で、首脳会談前に大統領特使を任命し、北朝鮮指導部との協議で会談の成果を明確にすべきだと指摘した。

 リビア氏は国務省で朝鮮部長や日本部長を歴任。民間に転出後、東アジアの専門家として北朝鮮当局者と非公式対話を重ねてきた。

 リビア氏は、北朝鮮側が今回、非核化の条件として同国への脅威の解消に言及したという韓国の発表を受けて、「何人もの北朝鮮の高官から多くの場で聞いた言葉だ」と分析。北朝鮮側は過去、在韓米軍撤退や日韓両国に対する米国の核抑止力の排除を求め、安全を実感すれば「10~20年」のうちに非核化を検討する考えを示したという。

 リビア氏は、これまでの北朝鮮側とのやりとりについて「非常に短い会話だった。完全にばかげた要求の時は、次の議題に移るのは非常に簡単だ」と述べ、米国が北朝鮮の条件を容認するのは不可能との立場を示した。非公式対話には現在の李容浩外相も参加していた。

 トランプ氏との会談を要請した北朝鮮側の狙いについては「核保有国と認めるか、あるいは核保有を防ぐために戦争に向かうかという選択を米大統領に迫ろうとしている」との見解を示した。

 リビア氏によると、過去の米朝非公式対話で米側は北朝鮮の非核化の検証方法でさまざまな提案をしたが、すべて拒否されたという。このため米朝首脳会談で、北朝鮮が核・ミサイル計画の停止や凍結、上限設定を提案したとしても「検証が不可能なら、ほとんどあるいは全く意味がない」と強調。爆発の伴う核実験やミサイル発射実験以外の計画は阻止できないと警告した。(c)時事通信社