【3月18日 東方新報】中国の結婚式には昔から、「婚鬧(Hunnao)」と呼ばれる風習がある。結婚式を盛り上げるために、新郎新婦の親戚や友人たちが、結婚する二人をからかうのだ。にぎやかでないと、まるで祝福してくれる人が少ないみたいでみっともないのだという。

 しかしこのところ、各地で行われる「婚鬧」が物議を醸している。2月には「新郎の父が酒に酔って結婚式場で新婦に無理やりキス」という動画が拡散された。貴州省(Guizhou)では「婚鬧」が原因で新郎が障害が残る大けがをしたとして、友人3人が損害賠償を請求された。

 専門家は「『婚鬧』の粗野な風習は今すぐ廃止するべきだ。伝統も時代に合わせ、社会で受け入れられる形に変える必要がある」と指摘する。

■新郎の父、新婦に無理やりキス?

 江蘇省(Jiangsu)塩城市(Yancheng)で2月に行われた結婚式の一場面。新郎の父は新婦の肩に手を回し、舞台に向かって歩いていた。司会者が「新婦は『郷に入っては郷に従え』をわきまえている」と紹介すると、新郎の父は新婦を突然抱きしめ、キスをするような動作を取った。

 この動画は、インターネット上で議論を引き起こした。当事者である新婦の義父は後日、法律事務所を通しコメントを発表。「特別な場所や雰囲気の中で、塩城の風習として、新郎の父として新婦にキスをするような動作をしたが、実際にはするふりをしただけだ。出席している親戚や友人たちの期待もあり、雰囲気を壊さないために取った行動だった」と弁明した。