■来店時の面談で数値改善

 実験では被験者を無作為に2グループに分け、一方には理髪店に行くたびに訓練を受けた薬剤師との面談を受けさせた。もう一方のグループは、健康的な生活様式を選択するよう理髪師から助言を受け、経過観察のために医師を受診するよう勧められた。

 米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された論文は、理髪店で月1回薬剤師と面談したグループは他の男性客グループに比べて、最高血圧を平均で21mmHg以上低下させることができたと報告している。

 論文によると「理髪師のみと交流し、医師の診察を受けるよう助言された男性客グループは、最高血圧が実験開始時の155mmHgから6か月後に145mmHgに低下した」という。一方、理髪師と薬剤師の両方と交流を持った男性客グループでは、「最高血圧が実験開始時の153mmHgから6か月後に126mmHgにまで低下した」とされた。

 ビクター氏は「慢性疾患の高血圧症は生涯にわたって薬を服用し、生活様式を改善し続ける必要がある」ことを指摘する。

「高血圧の投薬治療を必要としている患者に薬を服用させることは、治療費と副作用が年々減少しているにもかかわらず、なかなかうまくいかないことが多い。しかし、今回のプログラムを通じて、この問題を乗り越えることができた」 (c)AFP