【3月13日 AFP】英国で発生したロシア人の元二重スパイ、セルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏(66)と娘のユリア(Yulia Skripal)さん親子の殺害未遂事件について、テリーザ・メイ(Theresa May)首相が12日に議会でロシアが関与していた可能性が「非常に高い」との見解を示したことを受けて、ロシア側は即日、これを否定した。

 複数の通信社が伝えたところによると、ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官は、メイ首相の発言は「挑発を狙いとする情報および政治作戦」の一環であり「英議会でのサーカスショー」だとコメントした。

 英国では過去にもロシア連邦保安局(FSB)のスパイだったアレクサンドル・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)氏、富豪のボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky)氏、実業家のアレクサンドル・ペレピリチニー(Alexander Perepilichny)氏らロシア人が死亡する事件が起きていた。

 ザハロワ報道官は、「リトビネンコ氏、ベレゾフスキー氏、ペレピリチニー氏をはじめ、その他大勢が英国内で謎の死を遂げていることについて、新たな作り話をひねり出すよりも過去の事例がどんな結末を迎えたか、英国の誰かが説明できるのではないか」と述べた。

 リトビネンコ氏の殺害について英判事は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が承認した可能性が高いと結論付けているが、ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は以前から、これらの人物の死について一切の関与を否定している。(c)AFP