【3月13日 AFP】ギリシャ文化・スポーツ省は12日、サッカー同国スーパーリーグ(1部)のPAOK FC対AEKアテネ(AEK Athens)の試合で、PAOKのイバン・サビディス(Ivan Savvidis)会長が拳銃を携帯してピッチに乱入した問題を受け、リーグ戦全試合の無期限延期を決定した。

 ヨルゴス・バシリアディス(Yiorgos Vassiliadis)政務官は、アレクシス・チプラス(Alexis Tsipras)首相との緊急会談後、報道陣に対して「リーグ戦の延期を決定した。全方面から新たな体制に関する合意が得られない限り、試合は再開されない」とコメントした。

 バシリアディス政務官はまた、統括団体の欧州サッカー連盟(UEFA)と緊密に連絡を取っていることもつけ加え、今回の事件についてUEFAは「ショックを受けていた」と明かしている。

 11日に行われた試合の終盤にチームの得点が取り消されたことに抗議したサビディス会長には、ボディーガードを従えてピッチに乱入した行為で逮捕状が出ている。警察によると、サビディス会長はライセンスを持っているため銃所持については追及されないものの、ピッチへの侵入については刑期なしの軽犯罪に問われるという。

 ギリシャ系ロシア人の実業家として知られるサビディス会長は、同リーグでは主要スポンサーの株も所有しているほか、同国北部のテッサロニキ(Thessaloniki)市ではたばこ産業の大株主として大手ホテルなどを経営し、最近ではギリシャの日刊紙エスノス(Ethnos)も買収した。

 自身の行為を擁護しているサビディス会長の広報部門は、ロシアの国内紙スポーツ・エクスプレス(Sport Express)に対し、「イバン(サビディス会長)は、銃で誰かを脅したりしていない」とした上で、「一部メディアの記事は、まったくのでたらめ」と主張した。

「会長は許可を得て銃を所持しており、ギリシャの法律に反していない。過度な感情表現をしたかもしれないが、彼は銃を使って誰かを脅すような行為はしなかった」(c)AFP