【3月13日 AFP】米フロリダ州の高校で先月起きた銃乱射事件を受けてホワイトハウス(White House)が発表した一連の対策で、ライフル銃規制の一部が見送られたことから、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が銃ロビー団体「全米ライフル協会(NRA)」の圧力に屈したとの批判が上がっている。

 先月14日にフロリダ州パークランド(Parkland)の高校で起きた同事件では、19歳の男が半自動式ライフルを乱射し、17人が死亡した。事件を受け対策を求める圧力を受けたトランプ氏は、殺傷能力の高いライフルについては購入可能年齢を18歳から21歳へ引き上げる措置への支持を示していた。

 だがトランプ政権が11日に発表した対策にはこうした措置への言及がなかった上、ホワイトハウスが先に提案していた、インターネット上や展示会で販売される銃器の購入者に対する経歴調査強化も盛り込まれることはなかった。

 ベッツィー・デボス(Betsy DeVos)教育長官はその代わり、トランプ氏が提唱し議論を呼んでいる教職員武装化の方針を重視する意向を表明。教育関連団体が反対する中、NRAが支持する同措置の実現に「迅速に取り組む」と宣言した。

 トランプ氏はツイッター(Twitter)への投稿で、銃購入年齢の引き上げについては各州の判断に任されると説明。「(控えめに言っても)政治的支持があまりない」と書き込んだ。

 米国では、トランプ政権発足後の1年間で史上最悪規模の銃乱射事件が3件も発生しており、トランプ氏に対しては、発表された対策では全く十分ではないとする批判が高まっている。

 民主党のチャック・シューマー(Chuck Schumer)上院院内総務はツイッター投稿で、政府の対応を非難。「この国では銃による暴力がまん延しており、大きな一歩を踏み出すことが求められているのに、ホワイトハウスはNRAを怒らせまいと、小さな一歩しか踏み出さなかった」と書き込んだ。(c)AFP/Paul HANDLEY