【3月12日 AFP】11日投票の香港立法会(議会)補欠選挙は、12日に開票作業が終了し、民主派は対象4議席のうち2議席を獲得したにとどまり、議員資格剥奪で失った議席の回復はならなかった。親中派の香港特別行政区政府による議会の支配がさらに強まる見通しだ。

 今回の補選は、2016年の選挙で当選した民主派議員ら6人が中国政府の圧力によって議員資格を剥奪されたことを受けて行われたもの。緊迫した空気の中、ある投票所の近くでは親中派が民主派の若者に罵声を浴びせる場面も見られた。

 補選の結果、定数70議席の議会で民主派が占めるのは26議席となった。

 民主派の活動家らは、香港政府が民主派指導者の周庭(アグネス・チョウ、Agnes Chow)氏の立候補を無効としたのは、所属政党が香港の「自決」を提唱していたからで、政治的な意図によるものだと非難している。

 投票日の11日、中国では全国人民代表大会(全人代、National People's Congress、国会に相当)で、習近平(Xi Jinping)氏に「終身国家主席」となる道を開く改憲案を可決した。

 「一国二制度」に基づき香港に保証されてきた高度な自治が脅かされているとの懸念が高まっている。(c)AFP