【3月11日 AFP】ロシア外務省の女性報道官マリア・ザハロワ(Maria Zakharova)氏が10日、レオニード・スルツキ(Leonid Slutsky)下院議員(50)からセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を受けていたと明らかにした。

 ザハロワ報道官は政府系テレビ局NTVでセクハラについて「レオニードはレストランで、とても不快なことを言い出した」「当時その場にいた人たちが何も言わず、助けてもくれなかったことには驚いた」と語り、このセクハラは彼女がまだ「無名だった」5年前、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)で行われたと述べた。

 ここ数週間で4人の記者が不適切な性的行為をされたとしてロシア下院外交委員会の委員長を務めるスルツキ議員を非難していた。うち3人は公の場に出て、スルツキ議員にわいせつな発言をされたり体を触られたりしたと告発していた。ロシアではセクハラ問題はいまだにタブーとされることが多い。

 スルツキ議員はこうしたセクハラ告発を「卑劣でくだらない挑発」呼ばわりし、政敵が仕掛けた政治的攻撃だとしてきたが、「国際女性デー(International Women's Day)」に当たる今月8日になって初めて謝罪。フェイスブック(Facebook)に「私が意図的に、または意図せずに苦しめてしまった方々に謝罪したい」「悪気はなかった。私を信じてほしい」と投稿した。

 極右民族主義を掲げるロシア自由民主党(LDPR)所属のスルツキ議員は、これまで他の議員たちから広い支持を受けていた。スルツキ氏を支援する同党のウラジーミル・ジリノフスキー(Vladimir Zhirinovsky)党首はセクハラを告発した女性たちを「欧米から命令を受けている」と非難していた。(c)AFP