【3月11日 AFP】貿易政策で強硬姿勢を見せるドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は10日、欧州連合(EU)が米国製品に対する貿易障壁を撤廃するなら米国も鉄鋼とアルミニウムの関税対象からEUを除外すると述べた。

 トランプ氏は8日、鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課すとした輸入制限を発表したが、カナダとメキシコは適用除外とされ、さらにオーストラリアも適用除外国に加えられた。

 EUは日本などの主要貿易相手国とともに、この輸入制限措置に強く反発。欧州委員会(European Commission)のセシリア・マルムストローム(Cecilia Malmstroem)委員(通商担当)は、同盟国が関税の対象外となる根拠が不明確だと指摘していた。

 これに対し、トランプ氏は「欧州連合は貿易で米国を冷遇する素晴らしい国々だが、彼らがわれわれの鉄鋼とアルミニムへの輸入関税に文句を言っている」とツイッター(Twitter)に投稿。さらに「米国製品に課しているひどい障壁や関税を彼ら(EU)が撤廃するなら、われわれも同様に(EUに対する関税を)撤廃しよう。貿易赤字は巨額だ。そうしないなら、自動車やほかの製品にも課税する。これなら公平だ!」と書き込んだ。

 関税問題をめぐってはマルムストローム氏と米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー(Robert Lighthizer)代表とが会談しているが対立解消には至らなかった。このため、輸入制限措置をめぐる米国とEUの対立が全面的な「貿易戦争」に発展する可能性を危惧する声も少なくない。マルムストローム氏によれば、米国との交渉は来週も継続するという。(c)AFP