【3月10日 AFP】米グーグル(Google)傘下の人工知能(AI)開発企業ディープマインド(DeepMind)のデミス・ハサビス(Demis Hassabis)最高経営責任者(CEO)は9日、AIは極めて大きな科学的恩恵をもたらす一方、使い方次第でリスクもあると語った。

 ディープマインドが開発した囲碁のAI「アルファ碁(AlphaGo)」は2016年、現代最強の囲碁棋士の一人に勝利して世界を驚かせた。ハサビス氏は英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London)で開かれたアルファ碁のドキュメンタリー上映会に参加して次のように語った。

「大変多くの興味深く難しい問題がある……AIをどのようにコントロールするのか、人類がAIに求める価値は何なのか、AIをどのように利用するのか、人類はAIを使って何をしたいのか、人類はこうした問題の答えを出さなければならないだろう」

 ハサビス氏は質疑応答の際、AIについて「科学的発見を加速させるとてつもないツール」、「私たちは人類史上最も有益な技術の一つになると考えている」と語る一方、他の強力な技術と同様に「リスクもある」と指摘し、「結果の良し悪しは、AIの利用について人類社会がどう判断するかにかかっている」と付け加えた。

 2010年にディープマインドを創設したハサビス氏は、同社では倫理的問題が中心的な関心事になっていると話した。(c)AFP