【3月10日 AFP】世界保健機関(WHO)は9日、シリアで今年に入って医療施設に対する攻撃の頻度が急増していると発表した。

 スイスのジュネーブで記者会見したWHOのクリスティアン・リンドマイヤー(Christian Lindmeier)報道官は、WHOは1月と2月に行われた医療施設への攻撃67件を確認したと述べた。2017年の1年間に発生した医療施設への攻撃は112件で、2018年は最初の2か月でその50%を超えたことになる。

 今年に入って記録された医療施設への攻撃の半数近くはシリアの首都ダマスカス近郊にある反体制派支配地域、東グータ(Eastern Ghouta)で起きた。シリア政府は、2013年に反体制派に奪取された同地を奪還しようと猛攻をかけている。

 シリア内戦がまもなく8年目に突入しようとする中、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のフィリッポ・グランディ(Filippo Grandi)高等弁務官は9日、シリア国内の民間人の生活環境はこれまで以上に悪化していると指摘した。

 レバノンを訪問したグランディ氏は「シリア国内の民間人が直面している生活環境はこれまで以上に悪化しており、69%が極度の貧困にあえいでいる」「この7年にわたる内戦によって、途方もない人道上の悲劇が残された。そこで生きる人々のために、いいかげんにこの悲惨な内戦を終わらせてもいい頃だ」と述べた。(c)AFP