【3月10日 AFP】シリアの首都ダマスカス近郊の反体制派支配地区、東グータ(Eastern Ghouta)で9日、反体制派戦闘員の第一陣が地区外に退去した。地区内では、新たな砲撃が加えられる一方、援助物資を積んだ車両が飢えた住民らに食料を配布した。

 反体制派が掌握する最後の拠点である同地区では、先月18日以降、ロシア軍の支援を受けたシリア政府軍が激しい攻撃を実施。民間人950人近くが死亡している。

 政府軍は2013年から同地区を包囲しており、過去3週間で地区内の半分以上の領域を奪還した。

 多数の武装集団が拠点とする同地区には、有力な反政府勢力である「ジャイシュ・アル・イスラム(Jaish al-Islam、イスラム軍)」のほか、国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」とつながりのある戦闘員の多い「ハヤート・タハリール・シャーム(HTS)」が展開している。

 シリア国営テレビが放送した映像には、13人の「戦闘員」と家族を乗せたバス1台がアル・ワフィディーン(Al-Wafideen)検問所を通過し、東グータを出る様子が映っている。この13人がどの集団に所属しているかは明らかにされてない。

 今回の措置は限定的なもので、国連(UN)など国外各方との協議で結ばれた取り決めに基づき実施された。ジャイシュ・アル・イスラムは、HTSの戦闘員らを北部イドリブ(Idlib)県に退去させることが協議で合意されたと説明している。 (c)AFP/Hasan Mohamed with Abdulmonam Eassa in Hammuriyeh